近年DJのシーンも大分デジタル化が進んできました。
ちょっと前まで、アナログレコードが主流だったのが今やPC片手にDJをするスタイル
が増えてきましたね。
僕もアナログから、デジタルへ移行した一人です。
今回はデジタルでDJを行う際にとても重要となってくる各DJソフトを何回に分けて
ご紹介します。
無料のものもあれば、ちょっと高価なものもありますので自分のスタイルに合った
DJソフトが見つかるといいですね。
今回紹介するのは
1.RANE/SERATO Scratch Live
DJソフトの中では最もメジャーであり、スタンダードとされているRANE/SERATO社の
Scratch Live(以下SL)ですが、なぜ多くの人が使用するのでしょうか。
アナログ感覚で操作できる
様々な理由がありますが、一番の理由を挙げるとするならば、アナログ感覚で直感的な
プレイが実現可能となる事。
レコードタイプ、CDタイプの二つのタイプより楽曲の操作が行えるのが特徴です。
DJソフトと言うとMIDIコントローラーを駆使してPC画面に貼り付いてマウスをクリックする
ようなイメージがありますが、このSLはアナログ感覚で操作できる部分が最も支持されて
いる理由の一つだと考えられます。
ご存知のように、DJにはスクラッチという技術をはじめアナログの直感的操作が
不可欠となる技術が様々あります。
そこで、アナログ感覚でデジタル音源を管理できるこのSLは
多くのDJから支持されているのでしょう。
現行のSL4の紹介ビデオですが、非常に分かりやすくなっているので
ご覧ください(英語)
●メイン画面
・バーチャルデッキ
プレイするトラックをここに読み込ませます。
デッキ上の線や外周の線がプレイに合わせて動き、トラックの再生状況が即座に把握できます。
デッキ内にはトラックの再生時間、残り時間、BPM 値、ターンテーブルの速度が表示されます。
・トラック波形表示
トラックの音を波形で表示します。低音域は赤、中音域は緑、高音域は青で表示されます。
タテ/ヨコどちらでも表示でき、テンポやビート合わせに便利です。
・3つの再生モードを用意。プレイに合わせて切り替えることで、パフォーマンスの幅が広がります。
●ABSモード(ノーマル・スクラッチ・モード)
アナログレコードと同じ動作をするモードです。コントロールレコードの動きを忠実に再現し、
スクラッチやミックスプレイなど、ターンテーブルを使用したテクニックが全て行えます。
●RELモード(機能限定モード)
コントロールレコードの前後の動きのみを検出するモードです。
レコード針の位置は検出されないため、針飛びがありません。
通常はDJ用CDプレイヤーでないとできない、キューやループの設定もできます。
●INTモード(内部再生モード)
ターンテーブルなしで演奏を行うモードです。音楽ファイルの再生、停止などの
操作がソフトウェア上でできます。
・曲一覧(ライブラリー)
ここからプレイするトラックを選んでバーチャルデッキに読み込ませます。
目的のトラックは、ジャンルやトラック名など様々な条件で検索できます。
また、トラックは、自由にグループに分類できるので、効率的な管理が可能です。
【引用RANWE公式サイトより】
また、現在はSL4までリリースされていて、DJソフト同士の交代の際に面倒だった作業も
解消され、ますます使いやすくなっています。
そして今回は、各SL2,SL3,SL4についての特徴を少し紹介します。
●SL2
とりあえず始めてみたい!家でちょっと遊び目的で使いたい!
どういったものか実際に使ってみて感じ取りたい人にはお薦めです。
まず、価格がほかのSL3,SL4に比べてお手頃で手が出しやすい!
そして、
初代SL1の基本的な部分を受け継ぎ、音質・端子やスイッチの配置を大幅に
進化させたエントリーモデルなのでより簡単に、より高音質になって、
値段も安くなっている。
ただ、SL3やSL4に比べて劣る点はDJミックスなどの録音がこれ一台ではできない事。
録音する場合は別の録音機材の導入などをしなければなりません。
Rane / Serato Scratch Live SL-2 [ ヒビノ日本国内正規品]
●SL3
SL2に+録音機能を充実化されたモデル。つまりDJミックスを日常的に作成する方
にお薦めです!
SL2と同様に、初代SL1の基本的な部分を受け継ぎ、音質・端子やスイッチの配置を大幅
に進化させたのはもちろん、なんとAUXの出入力が付いたことで
SL3一つで簡単にDJミックスが行えるのが特徴ですね。
Rane / Serato Scratch Live SL-3 [ ヒビノ日本国内正規品]
2.
●SL4
クラブやその他様々なシーンで活用したい人にお薦め!
実際使っていくとSL3でも現場ではもう少しここがこうなればな~という意見は少なくも
ありません。
たとえば、同じSL使い同士がDJ交代する時はスイッチャーがないと交代出来なかったり
そんな現場の声を反映して生まれたSL4.。
値段は少しお高いですが、高みを目指すならお薦めです!
Rane / Serato Scratch Live SL-4 [ ヒビノ日本国内正規品]
SCRATCH LIVEそれぞれの商品の詳しい機能比較です。 |
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SCRATCH LIVE 機能比較表 |
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SCRATCH LIVE 1 |
SCRATCH LIVE 2 |
SCRATCH LIVE 3 |
SCRATCH LIVE 4 |
特徴 | 生産完了品 初代Scratch Live インターフェース。 | シンプル構成。 SL1でのノウハウを昇華させたエントリーモデル。 | クラブなど現場でも主流なタンダードモデル。 | 2基のUSB端子を搭載。 プロフェッショナルモデル。 |
入出力 | 入出力2系統+マイク入力端子 | 入出力2系統 | 入出力2系統+AUX | 入出力4系統+AUX |
USB | USB1.0 | USB2.0 | USB2.0 | USB2.0×2 |
インターフェース | - | 高速USB2.0 | 高速USB2.0 | 高速USB2.0 |
USB 電力 | 300mA,5.0V | 300mA(最大) | 400mA、5V | 500mA、5V |
USB 音声チャンネル | - | 録音× 4 プレイバック× 4 | 録音×6 プレイバック×6 | 録音× 10、プレイバック× 10 |
コンバーター | 16-bit / 44.1 kHz | 24bit、44.1kHz/48.0kHz (ソフトウェアで設定)2 | 24bit、 44.1/48.0kHz | 24bit、48kHz/96kHz |
ダイナミックレンジ(D-A) | 94 dB(A ウェイト) | 104.5dB(A ウェイト) | 104dB(A ウェイト) | 104.5dB(A ウェイト) |
THD+N | -88 dB (1 kHz, 0 dBu, 20 kHz BW) | 0.007% @ 1kHz、 20Hz ~ 20kHz | 0.009% (@1kHz、2Vrms) | 0.007% @ 1kHz、 20Hz ~ 20kHz |
周波数レスポンス | - | - 0.5dB@20Hz、 - 1.22dB@20kHz | - | - 0.6dB@20Hz、 - 0.03dB@20kHz |
フォノ/ ライン切り替え | スイッチ式 | スイッチ式 | スイッチ式 | スイッチ式 |
ライン入力 | RCA、アンバランス | RCA、アンバランス | RCA、アンバランス | RCA、アンバランス |
最大入出力 | 2 Vrms | 3Vrms@1kHz | 3Vrms@1kHz | 3Vrms@1kHz |
フォノ入力 | Unbalanced RCA 35 mVrms | RCA、アンバランス、 70mV rms@1kHz | RCA、アンバランス | RCA、アンバランス、70mV rms@1kHz |
フォノ入力感度 | - | - | 2.5mV~10mV (調整可能) | - |
ユニットサイズ、質量 | 18.4 x 12.7 x 4.5 cm | W141×D125×H33mm 0.5kg | W184×D126×H43mm 0.6kg | W184×D126×H43mm 0.6kg |
外部電源供給 | 300mA.9.0V | - | 1060mA、 7.5V | - |
システム最小要件 |
Windows |
|
CPU | クロック周波数1.6GHz以上のIntelプロセッサー | Intel Core Duo/2.2GHz | クロック周波数1.6GHz以上のIntelプロセッサー | Intel Core Duo/2.2GHz |
メモリ | 2GB以上 | 2 GB 以上 | 2 GB 以上 | 2 GB 以上 |
OS | Windows XP Service Pack3以上(XP 64bit版には非対応) ・Vista Service Pack2以上 ・Windows7 | Windows XP Service Pack 3 以上、またはWindows Vista Service Pack 2 以上、またはWindows 7 | Windows XP Service Pack3以上(XP 64bit版には非対応) ・Vista Service Pack2以上 ・Windows7 | Windows XP Service Pack 3 以上、またはWindows Vista Service Pack 2 以上、またはWindows 7 |
USB2.0 | USB規格1.1のフルスピード・モードに対応したUSBポートを搭載したコンピューター | 規格のUSB ポート | フルスピード・モードに対応したUSBポートを搭載したコンピューター | 規格のUSB ポート |
・ディスプレイの推奨画面解像度 | 1,024×768ピクセル以上 | 1,024×768ピクセル以上 | 1,024×768ピクセル以上 | 1,024×768ピクセル以上 |
音楽データーを保存可能なハードディスク領域 | デジタル・オーディオ・ファイルを保存可能なハードディスク・スペース | 回転速度7200RPM 以上のハードディスクを推奨 | デジタル・オーディオ・ファイルを保存可能なハードディスク・スペース | 回転速度7200RPM 以上のハードディスクを推奨 |
Mac |
|
CPU | クロック周波数1GHz以上のG4プロセッサー | Intel Core Duo/2GHz | クロック周波数1GHz以上のG4プロセッサー | Intel Core Duo/2GHz |
メモリ | 2GB以上 | 2GB以上 | 2GB以上 | 2GB以上 |
OS | Mac OS X 10.4.11 以上 | Mac OS 10.5.8 以上 | Mac OS X 10.4.11 以上 | Mac OS 10.5.8 以上 |
USB2.0 | USB 規格1.1のフルスピード・モードに対応したUSBポートを搭載したコンピューター | 規格のUSB ポート | フルスピード・モードに対応したUSBポートを搭載したコンピューター | 規格のUSB ポート |
・ディスプレイの推奨画面解像度 | 1,024×768ピクセル以上 | 1,024×768ピクセル以上 | 1,024×768ピクセル以上 | 1,024×768ピクセル以上 |
音楽データーを保存可能なハードディスク領域 | デジタル・オーディオ・ファイルを保存可能なハードディスク・スペース | 回転速度7200RPM 以上のハードディスクを推奨推奨 | デジタル・オーディオ・ファイルを保存可能なハードディスク・スペース | 回転速度7200RPM 以上のハードディスクを推奨推奨 |
|
ここまではDJソフトの主な機能などの紹介ですが、RANE/SERATO SLの性能を
活かせるミキサーなどを紹介します。
かなり値段は張りますが
●RANE68
コンピューターを同時に2台処理できる4chデジタルミキサーはかなりお薦め!
2010年11月発売されたこのミキサーは
コンピューター2台を同時に処理する
クラブインストールに最適な高音質4ch DJミキサー。
また、スクラッチライブのインターフェースを内蔵していて、さらに操作パネルには
ソフトウェアのコントロールセクションを搭載。
キューポイントへのジャンプやループ、エフェクトなどの30以上もの機能を、
マウスやキーボードを使わずに直感的なコントロールが可能なのが特徴!
さらに、ミキサー周りのスペースや配線がすっきりするほか、ユーザーごとに
インターフェースを接続しなおす必要がないので、接続にまつわる無用な
トラブルを回避できるのが特徴です。
ただ、値段は相当高いです。
安くても29万円後半はします。
RANE 68 “SIXTY-EIGHT”
【仕様】
SIXTY-EIGHT |
入力(PGM入力) | フォノ/ライン(切替)・・・RCA×4 |
| AUX・・・RCA×4 |
| S/PDIF(コアキシャル入力)・・・RCA×4(16/24-bit PCM対応) |
| トーンコントロール・・・3バンド(High/Mid/Low) |
SESSION入力 | RCA×1 |
マイク入力 | コンボ端子(XLR/フォーンジャック)×2
MIC1・・・+48Vファンタム電源ON/OFF切替スイッチ装備
MIC2・・・マイク/ライン切替スイッチ装備 |
| トーンコントロール・・・2バンド(High/Low) |
FlexFXセンド/リターン | TSフォーンジャック×各1 |
出力 | マスター・・・XLR×1 |
| ブース・・・フォーンジャック×1 |
| SESSION・・・RCA×1 |
| ヘッドホン・・・フォーンジャック×1、ミニジャック×1 |
USBオーディオストリーミング | 6×ステレオ録音、5×ステレオ再生 |
A/Dコンバーター | 24bit、48kHz、ダイナミックレンジ101dB (Aウェイト) |
D/Aコンバーター | 24bit、48kHz、ダイナミックレンジ107dB (Aウェイト) |
ビルトインエフェクター | 6種類(Filter/Flanger/Phaser/Echo/Robot/Reverb) |
内部DSP | 32bit浮動小数点、48kHz |
周波数特性 | 20Hz~20kHz、±0.25dB、(ライン-ライン) |
THD+N | 0.01%以下 (0dBFS、20Hz~20kHz) |
電源 | AC100V、50/60Hz、15W |
寸法(W×D×H)、質量 | 305×364×102mm、5.2kg |
付属品 | コントロールレコード×4、コントロールCD×4、
USBケーブル×2、ソフトウェアインストールCD×1 |
※Scratch Liveソフトウェアは バージョン2.1.1以上をご使用ください。
さっきのRANE68にはなかなか手が届かないと思います。
だけどあんな感じのミキサーがほしいと言う人にはこんな商品もあります。
●RANE62
多彩なシーンに対応する拡張性と、
思い通りの音作りを実現する優れた操作性。
高機能2ch DJミキサーをお薦めします!
2012年5月31日に発売されたRane62は68同様インターフェイス内蔵をしています。
また、USB端子を2個装備し、それぞれを経由して入力される音声信号を同時に処理できます。
・クラブでスクラッチライブユーザーのDJ同士が交代する際には、
接続しているコンピューターを切り替えることでスムーズに次のDJに移行可能。
・スクラッチライブを使った二人同時プレイや、一人で二台のコンピューターを使用した
DJプレイも可能。
また、68同様直感的な操作で楽曲をコントロールできるのもお薦めな理由です。
もちろんエフェクト機能も豊富に揃えています。
RANE ( レーン ) 62 SixtyTwo Performance Mixer ミキサー
このほかにもMIDIコントローラーを駆使して既存のミキサーとリンクさせDJプレイをする方法
などアナログのころに比べて自分に合ったスタイルでDJ環境を整えることができますが、
実際クラブでプレイするとなると、他のDJとの折り合いはもちろんのこと、箱側の環境や都合
によってはその提供された環境に準じなければなりませんので、自分の周囲がどんな機材で
行っているのかをチェックしてから購入するのも一つのポイントだと思います。
次回は、ダンスミュージックを主とするDJから絶大な支持を受けている
Tractorの紹介をしたいと思います。
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